みなさんは『お金』のことをわかっていますか?
常日頃から『お金』が欲しいと考えていると思いますが、なぜ『お金』はそこまで魅力的なんでしょう?
貨幣の「新」世界史では、『お金』について、生物の成り立ちから解き明かしていきます。
そもそも我々は『お金』のことを知らな過ぎます。
あまりにも身近な存在であるため、深く考えることがないんですね。
しかし、欲しいと願っているものをよく知ることは大切です。
なぜ、我々は『お金』が必要なのか?
なぜ、我々は『お金』を求めるのか?
この本を読めば、その答えが少しわかるようになります。
投資やお金が好きな人にとっては、非常に面白い本だと思います。
- お金の役割とは?
- 生物の進化には『交換』が絶対条件だった
- 『お金』を失うことは『死』を連想させる
- 『お金』は『国の信用』
- ジンバブエドルの崩壊はなぜ起きたか?
Contents
貨幣の「新」世界史:お金の定義
『お金』って何?と聞かれた場合、どのように答えますか?
大抵の人は答えに詰まってしまうと思います。
毎日欠かさず使うものなのに関わらず、どういうものか答えることができないんですね。
まずは、従来の定義に基づいて、『お金』は次のような機能があることを覚えておきましょう。
- 交換の手段
- 価値の尺度
- 価値の保存
お金は、この3つの機能を持ち合わせています。
一方、マルクス経済学では、商品と商品の間にお金が存在すると説明しています。
C(商品) – M(お金) – C(商品)
お金が出現する前は、物々交換で経済は回っており、商品と商品の間にお金は存在しませんでした。
C(商品) – C(商品)
しかし、物々交換では、欲しいタイミングで欲しいものがないと交換がうまくいきません。
例えば、すぐに腐ってしまう魚と卵を交換したい場合、どちらも同じタイミングで揃っていないと、どちらかが腐ってしまいますね。
そこで、一時的にお金(通貨)と自分の商品を交換し、いったん腐りやすい魚などを通貨という形で”保存”します。
魚の価値はお金で保存されるため、長期間保存することができます。
すると、その通貨を使うことで、自分が欲しいタイミングで魚や卵と交換することができるようになるんです。
この時、需要や供給のバランスにより、商品の価値を通貨で値段をつけられ、決められた価値で”交換”が行われます。
今では、通貨はデジタルやカードといった姿に形を変えていますが、本質的な機能は変わりません。
お金の定義は、、、次の3つ。
- 交換の手段
- 価値の尺度
- 価値の保存
貨幣の「新」世界史:生物の進化には生物同士の『交換』が必要
貨幣の「新」世界史では、生物の成り立ちからお金を解き明かしていきます。
生物の進化には、必ず”交換”という概念が必要になります。
例えば、ミツバチは花から餌となるミツをもらいます。
その代わりに、ミツバチは花の受粉を手伝います。
ここに”交換”の概念があり、この”交換”がなければ、この関係は成り立ちません。
お互いに協力し合っているように見える素敵な関係ですが、この関係には、実はとんでもない罰があります。
もし、花が裏切りミツバチにミツを与えない場合、ミツバチは栄養を確保できず絶滅してしまいます。
ミツバチが絶滅してしまった場合、花は受粉がうまくいかず、花も絶滅することになってしまいます。
生物にとって”種の存続”というのは、もっとも大きなテーマになります。
”交換”の裏切りには、”種の絶滅”というもっとも重い罰が課せられているのです。
そのため、どちらかが止めたくてもやめることができないんですね。
しかし、この”交換”関係をうまく機能させていくことで、生物はどんどん進化していきました。
『お金』についても、人間や組織が進化する過程で必ず必要なものになります。
『お金』がより使いやすく便利になれば、社会や人間は進化していきます。
現物のコインでやり取りしていた頃は、目の前にある商品しか手に入れることができませんでした。
しかし、クレジットカードの普及や電子決済などの技術で簡単に遠くの地にある商品を購入することができるようになりました。
この”交換”の機能が発展していくことで、人間は先に進むことができるのです。
生物は”交換”で成り立っている
貨幣の「新」世界史:『お金』は『国の信用』で成り立つ
国のバランスシートを見た場合、”債権”が国の資産に記入され、”紙幣”が国の負債の欄に記入されます。
つまりどういうことかというと、国の債権を担保に紙幣が成り立っているということになります。
極端な話、アメリカという国の信用がまったくなくなってしまうと、ドル紙幣は紙くずになってしまうんです。
このブログでは、FXの自動売買系のサービスについてもまとめたりしていますが、高金利通貨がなぜ高金利なのかを考える必要があるということがわかると思います。
国の信用がある通貨は、金利を上げなくても、欲しがる人は出てくるわけです。
例えば、日本は、しばらくの間、ゼロ金利政策を行っていますが、有事の際に円が欲しいという人が殺到します。
国の信用さえあれば、金利がゼロでも需要はあるわけです。
しかし、信用がない国は、金利を上げて、自国の通貨の価値を上げなければいけないのです。
無理やり金利を上げているような国の将来は、大なり小なりリスクは存在します。
その国の信用というのは、その国の通貨を買うか買わないかという判断に使えるわけです。
高金利通貨のトルコリラやアフリカランドに手を出そうとしている場合、それぞれの国がどれくらい信用力があるかを調べてみると良いと思います。
”紙幣”は国の負債!
貨幣の「新」世界史:ジンバブエドルの崩壊はなぜ起こったのか?
貨幣の「新」世界史では、ジンバブエドルの崩壊について書かれているわけではありませんが、この本を読むことで、なぜジンバブエドルが崩壊したのかを理解ことができます。
歴史的に見て、経済が回らなくなってきた場合、国がお金を大量に刷って、経済を回そうとします。
実際に、この政策は効果があり、一時的に経済は回復します。
しかし、紙幣を大量にするということは、紙幣の価値が下がるということになり、商品の価値は相対的に上がっていきます。
一時的に経済が回復したとしても、この施策の後は大不況が待っているのです。
ジンバブエでも同じようなことが起きました。
停滞した経済を回すために大量のジンバブエドルを刷ることにした結果、通貨の価値が下がり、物価が極端に上がってしまいました。
そのため、ジンバブエドルはいらないという人が増え、市場に商品が出てこなくなったんですね。
ジンバブエドルの価値を下げ過ぎた政府の信用はなくなり、それと共にジンバブエドルの価値もなくなっていったわけです。
通貨の価値は、国の信用で成り立っているわけです。
そのため、国の信用がなくなると、その国の通貨の価値もなくなるんです。
さて、それではジンバブエはどのように経済を回復させたかというと、”交換”の手段に信用力のある”USドル”を使用することにしたんですね。
信用力のある”USドル”を使えば、商品の価値を正確に決めることができ、”USドル”を持っておけば、価値を保存しておけるわけです。
交換手段としても問題ないため、この通貨を用いることで市場はうまく回るんですね。
このように、通貨というのは誰かが信用を保証することで成り立つんです。
国の信用の下落とともに通貨の下落が起きる
さいごに:貨幣の「新」世界史
この本を読むと、もっとも身近にあり、もっともよくわかっていない『お金』について理解することができます。
さらに、この本の中では、『お金』の未来についても予測を行っています。
過去の流れを踏まえたうえで、今後『お金』がどうなっていくかを考察しており、非常に面白いです。
この本に書かれている『お金』の歴史を読んだ上で、『お金』の未来の章を読むとワクワクすると思います。
もし、『お金』を手に入れたいと思うのであれば、その『お金』について正しい知識を手に入れることはとても大切です。
その『お金』の知識を得るための本としては、最近では一番面白いと思いました。
『お金』に興味のある方は、ぜひ読んでみてほしいです。