IPO投資は人気が高く、申し込んでもなかなか当選しない。では、実際の当選確率はどれくらいで、何回申し込めば当選するのだろうか?
この記事では、IPO投資の当選確率を上げるための方法と当選する目安についてまとめていく。”100回に1回”か”200回に1回”など、当選する可能性がわかれば、申し込みも続けやすくなるものだ。『いつ当たるかわからない状態』このような先の見えない状態が、止めたくなってしまう一番の原因である。
- 初期資金はどのくらい必要?
- 実際の当選確率はどのくらい?
- IPO投資の当選確率を上げるための証券会社選び!
- おすすめの証券会社3選!
- IPOが当たらない時の心構え!
- 当選しても損をしないようにする
- 売却のタイミングは!?
- 私のIPOの申し込み手順
IPO投資の当選確率を上げる!初期資金はどのくらい必要?
IPO投資は、申し込みをするために初期資金が必要になる。初期資金が足りないと申し込みすらできないため、まずはIPOに申し込むための資金を準備しなければならない。
宝くじと同様に申し込み件数が多くなればなるほど当選確率は上がる。宝くじ1枚買うより、10,000枚買う方が当選確率は高い。
ただ、宝くじは購入資金が返ってこないため、外れた場合はお金を失ってしまうが、IPO投資では外れた場合でも資金は一切なくならない。申し込むために当選した場合に購入できる資金が口座に入っている必要があるだけだ。これがローリスクハイリターンと呼ばれる所以となる。
ただ、申し込むために、それなりの資金を準備しなければならない。次のグラフは、2017年下期のIPOの公募価格になる。

オレンジの点線は¥3,000円のラインになり、ほとんどの銘柄は¥3,000円以下の公募価格であるということがわかる。最低購入単元は100株なので、初期資金として¥300,000円あれば大半の銘柄に応募できる。
¥300,000円あれば、どこかの証券会社からIPO株に申し込みができるということになる。もし、¥600,000円、¥900,000円と資金が増えていけば、複数の証券会社からIPOに申し込みができるわけだ。ただ、いきなり大金を用意するのは難しいので、まずは¥300,000円を準備し、コツコツと応募を続けていく大事だろう。
しかし、¥300,000円を準備し、やみくもに応募しても、いつまでも当選できずに時間だけが過ぎ去っていってしまう可能性がある。そこで、IPO投資の当選確率を上げるために、なるべく当選確率が上がるような証券会社選びや銘柄選びが重要となってくる。
関連記事:【落選を減らすために】IPO投資の当選確率を上げるポイント
IPO投資の当選確率を上げる!実際の当選確率はどのくらい?
IPO投資の実際の当選確率は約1-2%程度になる。極端に運が良い人もいれば、まったく当たらないという人もいるかと思うが、だいたい100回申し込めば1回当たる程度と考えて良いだろう。
IPO投資は、ローリスクハイリターンであるため、参戦人数が増えており、どんどん当選確率が下がっていることは事実だ。実際に、数年前より確実に当選確率は下がっているため、今後もさらに下がる可能背は高い。しかし、それでも魅力的な投資であることは間違いないので、資金に使い道がない場合は、とりあえず申し込みは続けても良いと思う。
しかし、いくら申し込んでも当選しないとなれば、途中でめんどくさくなり止めたくなるだろう。そこで、私の実績をご紹介する。IPO投資歴はそこまで長いわけではなく、めんどくさがりでもあるため、これまでの申し込み回数は82件とあまり多くない。ただ、その中で2件の当選を経験している。
◆マネーフォワード(3994)
¥299,730 – ¥155,000 = + ¥144,730
◆キュービーネット(6571)
¥211,230 – ¥255,000 = – ¥13,770
私の当選確率は2件 ÷ 82件 = 2.4%になる。ただ、”キュービーネット”は、IPO投資に珍しく赤字となってしまったので、利益の出た当選確率は1.2%だ。100回申し込んで1回当たる計算になる。低い確率ではあるが、1年に1回十数万円のお小遣いが手に入ると考えれば、悪くない投資だろう。
“いつ当たるかわからないから止めてしまおう”かと考えている方は、この確率を参考にしてみていただければと思う。100回申し込めば1回当選するということがわかっていれば、なかなか当たらなくてもコツコツ申し込みを続けられると思う。“当たるという未来”がわかっていることが、IPO投資を続けるためのコツにもなる。
しかし、”キュービーネット”のように、せっかく当選したのに、赤字を出してしまうのは非常に悲しい。この反省を踏まえて、IPO投資でできるだけ赤字を出さないためのIPO投資の手順も記事の下部でまとめている。IPOに投資するであれば、当選して大きな利益を狙いたい。
IPO投資の当選確率を上げるための証券会社選び
IPO銘柄に申し込める証券会社はたくさんある。はじめはどの証券会社を選んで良いかわからないと思うので、証券会社選びのポイントをまとめる。資金が少ないなら、少ないなりの闘い方がある。
完全平等抽選方式の割合が多い証券会社を選ぶ
IPO株は、まず各証券会社に割り当てられる。例えば、10,000株発行された場合、A社に5,000株、B社に4,000株、C社に1,000株というような感じだ。この中で、まず証券会社はお得意様にIPO株を割り当てる。IPO株は儲かるため、欲しがるお得意様が多いためだ。
上記の例で、A社が5,000株のうち4,000株をお得意様に振り分けたとすると、残りは1,000株になる。この1,000株を我々が抽選を通して奪い合わなければいけない。
しかし、すべてのIPO株に完全平等抽選方式を採用している証券会社を選ぶと、当選確率を上げることができる。上記では、5,000株のうち4,000株をお得意様に振り分けていたが、完全平等抽選方式では5,000株すべてを抽選にかける。そのため、お得意様など関係なく、当選確率は申し込んだ人は全員平等となる。
私が当選した”マネーフォワード”は、すべてのIPO株に完全平等抽選方式を採用している”マネックス証券”から申し込んだ。一方、楽天証券やSBI証券は、完全抽選方式の割合が小さいため、資金力が多ければ多いお得意様ほど当選しやすい仕組みとなっている。そのため、資金が少ないうちは、完全抽選方式の割合が大きい証券会社を選ぶことが重要となる。
口座開設数が少ない証券会社を選ぶ
IPO株は発行される株式の枚数は決まっている。そのため、申し込む人の数が少なければ少なくなるほど当選しやすくなる。例えば、100株のIPO株に1人だけが申し込めば必ず当選しますが、100人が申し込めば当選確率は1%になってしまう。以下に代表的な証券会社の口座開設数をまとめてみた。
証券会社 | 完全抽選割合 | 口座数 | IPO取り扱い数 ( 2017年度 ) |
オススメ順 |
マネックス証券 | 100% | 1,772,778 | 49 | ★★★★★ |
SMBC日興証券 | 10% | 3,327,000 | 74 | ★★★★ |
SBI証券 | 35% | 3,839,883 | 86 | ★★★★ |
カブドットコム証券 | 100% | 1,092,804 | 27 | ★★★ |
大和証券 | 15% | 3,214,000 | 43 | ★★ |
こう見ると、意外と口座開設数が違うことがわかる。”マネーフォワード”に当選したマネックス証券は、口座開設数も少なく、完全抽選方式の割合が100%となる。話は逸れるが、確定拠出年金のiDecoの取り扱い銘柄も多く、私のお気に入りの証券会社だ。ライバルが少なければ少ないほど当選確率は上がるので、口座開設数が少ない証券会社を選ぶことも当選確率を上げるためのポイントだ。
主幹事が多い証券会社を選ぶ
企業の上場の支援を行う証券会社は、IPOの主幹事となり発行株式が多く割り当てられる。上場を手伝ってくれたお礼に、株式を多く割り当ててあげますというような感じだ。IPO株が多く割り当てられている証券会社に申し込めば、IPO株が多い分だけ当選確率は上がる。
さて、それでは、主幹事とその他でどのくらい割り当てられる株式の割合は違うのか?アクセスグループ・ホールディングスを例にとり見てみたいと思う。

アクセスグループ・ホールディングスでは、主幹事とその他でこのような差がある。この場合、大和証券以外で申し込んでも当選する気がしない。主幹事とその他の証券会社に割り当てられる株式の割合は、『トレーダーズウェブ』から確認することができる。
割り当てられる株式数から、完全抽選方式に割り当てられる株式数も計算する必要があります。マネックス証券の場合は、トレーダーズウェブで確認できる株式の100%が完全抽選方式になりますが、他の証券会社ではその割合が異なります。SBI証券では、35%ほどが完全抽選方式になりますので、割り当てられる株式から35%の株式が完全抽選方式に割り当てられることになります。
SBI証券でIPOチャレンジポイントを貯める
SBI証券には、IPOチャレンジポイントというものがある。SBI証券でIPOに申し込み、当選せずに外れた場合に1ポイントが追加される仕組みとなっている。このIPOチャレンジポイントを貯めていくと、IPOが当たりやすくなる。
普段は落選してしまうIPO投資だが、コツコツとIPOチャレンジポイントを貯めていくことで、当選確率を上げていくことができるので、申し込みが無駄にならない。
例えば、200ポイントを使って20万円の利益を取れる銘柄を購入できたとする。この時、利益の20万円を1ポイントに換算すると20万円 ÷ 200ポイント = ¥1,000円になる。つまり、SBI証券でIPOに1回申し込むだけで¥1,000円を得られているということになる。
IPOチャレンジポイントが1ポイント¥1,000円の価値があると思えば、コツコツと申し込もうという気持ちになるだろう。どのIPOに申し込むかによって利益は変わってくるが、IPOチャレンジポイントにはお金に換算できる価値がある。
ちなみに、私の今のIPOチャレンジポイントはこちらだ。サボりがちなので、全然少ないが、少しずつ貯めていっている。

関連記事:【落選を減らすために】IPO投資の当選確率を上げるポイント
IPO投資の当選確率を上げるための証券会社2選
証券会社選びのポイントから、私が選んだ証券会社は次の2社になる。資金が少ないうちは、順位が高い方から口座開設をしていけば良いと思う。証券会社を1つにつき、¥300,000円が必要になる。
2位:SBI証券
SBI証券は、完全抽選方式の割合が30%程度と少ないのだが、IPOチャレンジポイントが魅力だ。基本的にIPO投資は当選するか落選するかで終わりだが、SBI証券では落選してもIPOチャレンジポイントを貯められるため、このポイントが資産となる。

おすすめ度 | ![]() |
---|---|
完全抽選割合 | 35% |
口座数 (2017年現在) |
3,839,883 |
IPO取り扱い数 (2017年度) |
86 |
1位:マネックス証券
マネックス証券は、実際に私が当選した”マネーフォワード”の申し込みを行った証券会社になる。完全抽選割合が100%なので、資金量に関係なく当選できる可能性が高い。

おすすめ度 | ![]() |
---|---|
完全抽選割合 | 100% |
口座数 (2017年現在) |
1,772,778 |
IPO取り扱い数 (2017年度) |
49 |
IPOが当たらない時の心構え
当選確率を上げるための証券会社選びや実際の当選確率を紹介してきたが、それでもまったく当選しないと不安になるものだろう。ここでは、IPOが当たらない時の心構えについてまとめてみる。
当選するためには、とにかく継続的に申し込みを続けることが大切だ。継続的に申し込みを続けるためには、過度な期待は禁物となる。『次は当たるだろう』『次こそは当たるはずだ』と期待を込めて申し込みを続けると、当選しなかった時の精神的なダメージが大きくなる。
このダメージが蓄積されていくと、『もういいや』と諦めの気持ちが芽生えてしまう。そこで、『どうせ当選しないだろうけど、一応申し込んでみるか』程度の気持ちで続けるようにしよう。期待値が低ければ、がっかりすることもない。このがっかりすることがないという気持ちが何かを続ける上で非常に大切になる。
色々なサイトを見ればわかるが、1年で何百万円稼いだとか、1回の当選で資金が10倍になったなどの情報がたくさんある。このような情報を見ると、ついつい期待してしまうものだ。しかし、その分、自分が外れた時のがっかり度も大きくなってしまう。
IPO投資は宝くじよりよっぽど当選確率が高く、ローリスクハイリターンの期待値が高い投資だ。利益が得られるのは、年に一回程度ということを頭に置いて、申し込みを続けてみよう。
IPO投資で損を出さないようにする方法
ローリスクハイリターンのIPO投資だが、やみくもに申し込んでいては、当選しても赤字を出してしまうことがある。私が当選した『キュービーネットワーク』が、その良い例だ。
当選しにくいIPO投資でせっかく当選したのに、赤字を出してしまうと非常に悲しい。そこで、なるべく利益が出る銘柄を選ぶことが重要となる。ここでは、利益が出る銘柄の選び方について説明する。次の図は、公募価格が青棒、初値がオレンジ棒になる。

ほとのどの銘柄で、初値が公募価格を上回っており、入手した株を上場初日の初値で売れば、利益を得られるということがわかる。しかし、よく見ると、たまに初値が公募価格を下回っている銘柄がある。
このグラフでは、初値(オレンジ)が公募価格(青)を下回ったのはたった3件で、全部で37件あるため、損をする確率は8.1%となる。8.1%は数値的には低いのだが、めったに当選しないIPO投資でこの確率は許容できない。そこで、この損をする確率の8.1%をなるべく0%近くに押さえ込むことが必要になる。
損する確率を小さくするため、私はIPOゲッターさんの投資日記の銘柄評価を基準とし、銘柄を選択している。IPOゲッターさんでは、初値予想を公開しその銘柄をAランクからDランクに評価付けをしており、これが銘柄選択に非常に役に立つ。
私がIPOに申し込む際には、Cランク以上の銘柄にしか申し込まないようにしている。それでは、まずCランク以上に絞った場合の、公募価格と初値の比較データを見てみよう。

このグラフから、Cランク以上を選ぶと、ほぼ100%の確率で利益が得られるということがわかる。ちなみに、私が損をした『キュービーネットワーク』はDランクだった。
Dランクだったにも関わらず、発行株式数も多くて当選しやすいだろうと考え、あわよくば利益が取れるんじゃないかと思ったのが間違いだった。自分で決めたルールを破るとロクなことがない。
IPO投資の売却のタイミングについて
IPO投資では、当選することが第一だが、意外と迷うのが売却をするタイミングだ。個人の考え方次第で、長期保有でも良いと思うし、いつ売却しても良いのだが、私は初値で売却すると決めている。
IPO株は、新しく上場される株式なので、不安定の要素が大きい。そのため、事前の評価が非常に高い銘柄でも、初値がピークでその後に急落する場合も良くある。確実に利益を得るためには、Cランク以上の銘柄を初値で売るのが一番だと考えている。
もし、長期保有を目的に考えているのであれば、いったん初値で売却した後に改めて購入するだろう。
IPO投資では、『初値で売却して利益を得る』というのが、個人的なルールになる。
下手にこの株は価格が上がりそうな気がするだとか、価値が上がるのではないだろうかと考える方がリスクが高い。投資は、しっかりと自分のルールを決めることが継続的に勝つために重要な要素となる。IPOに関しては、上場後の動きが不安定なことが多いため、安全性を考えると初値で売却することが良いだろう。
関連記事:【画像あり】IPO申込みから当選、売却のタイミング:SBI証券編
私のIPO投資の申し込み手順
これまでIPO投資のポイントをまとめてきたが、ここで私のIPO申し込み手順について簡単にまとめてみる。作業に慣れると5分もかからずできてしまうため、仕事の合間にやってしまうこともよくある。
1. トレーダーズウェブで日程確認
『トレーダーズウェブ:IPOスケジュール』で日程確認を行う。余裕があれば主幹事などを確認するが、銘柄のブックビルディングがいつ始まるかをチェックする。定期的に確認するようにしていれば、申し込みを逃してしまうということはないだろう。
2. IPOゲッターさんのページで銘柄の評価と予想値を確認
続いて、『IPOゲッターさんの投資日記』で、銘柄の評価を確認する。ここで、対象銘柄の評価がCランク以上であれば申し込みを行う。
Dランク以下であれば申し込みしないが、SBI証券の場合はDランク以下でもIPOチャレンジポイントのために申し込みを行う。
3. 当選した場合は初値で売却する
当選した場合は、上場初日の初値で売却する。どんなに評価が高い銘柄でも上場初日に売却する。
簡単だが、以上が私のIPO投資の手順になる。慣れれば5分とかからずに申し込みを行えるようになる。
最初の証券会社選びや初期資金の準備が一番大変なのだが、この記事でまとめた証券会社と最低ラインの30万円を用意すれば、簡単にIPO投資に参戦することができる。申し込まなければ当選することはないので、まずは申し込みができる環境を作ることが大切だ。
環境を構築し、この手順を日常のルーチンワークとしてしまえば、特に時間をかけずにIPOに申し込みをすることができるようになる。こうなってしまえば、後は気長に当選するのを待つだけだ。
さいごに:IPO投資で当選するためには
今回の記事では、IPO投資の当選確率を上げるための方法をまとめてみた。
当選確率を上げるために行う方法はシンプルだ。
ライバルの少ない証券会社で、申し込む回数を増やすということになる。ただ、やはり”運”の要素が大きいので、基本的にはなかなか当たらないと思う。それでも、申し込みをしなければ、当選することはない。
まずは、申し込みができる環境を整え、継続的にIPOに申し込んでいくことが当選への近道だ。IPO投資に関しては、申し込みをしないことが機会損失となるので、これを機に申し込みをするための環境を構築してみても良いだろう。
申し込みさえ続けていれば、いつかは絶対に当選する。