日本には、株式投資やFXをギャンブルだと考えている人が多い。
そもそも投資全般をギャンブルと捉え、働いた給料以外を汚いお金として毛嫌いしている。
では、宝くじは投資なのか?ギャンブルなのか?
確定拠出年金は投資なのか?ギャンブルなのか?
投資とギャンブルの違いについて、何も知らずに毛嫌いするのは、ちょっと違う気がする。
少子高齢化社会になり、社会保障費の増加などにより我々サラリーマンの手取りはどんどん減っている。
今後、“何も考えずに投資を毛嫌いする人”と”そうでない人”の格差はどんどん広がっていくだろう。
投資と投機とギャンブルの違いについて
投資とギャンブルの違いを明確に決めることは難しいが、次のように大まかな違いがある。
ギャンブルとは
ギャンブルは胴元が掛け金の何割かを徴収する。
残った金額を勝者に振り分けるため、戻ってくる金額は全体の掛け金より少なくなる。
宝くじは、期待値が約50%となる。
つまり、胴元が掛け金の50%を徴収しているということだ。
50%も徴収されて勝てるわけないだろ!と思うのだが、大金に夢を見て宝くじを購入する人はかなり多い。
宝くじはギャンブルになり、勝てる確率がかなり低いゲームになる。
個人的には、お遊び程度にちょっと購入するくらいにしている。
期待値が低く当選金額が大きいほど、当選発表時に盛り上がるのは否めない。
投機とは
誰かがプラスになったら誰かがマイナスになるゲームとなり、自分が勝てば誰かがお金を失う。
いわゆるゼロサムゲームと呼ばれるものだ。
企業の業績や市場の動向はあまり関係なく、相場のテクニカルな判断で売買が行われる。
現在の仮想通貨の市場にいる人達はほとんどが投機家だろう。
かなりギャンブル要素が強いが、個人的な技術を上げることで勝つことができる。
投資とは
経済が成長していく限り、うまくいけば全員がプラスになる可能性がある。
しかし、自分の利益を優先しようとするので、みんなが儲かるようなことにはならない。
成長すると思った会社にお金を預け、その会社が成長すればその分だけ利益を得られるのが投資となる。
お金に限らず自分への投資という言葉が良く使われるように、自分が期待するものへお金を払うことはすべて投資となる。
本の購入など知識を得るための支払いも自分への投資だ。
長期投資の枠組みで考えた場合、利回りを見ると詐欺か実現性のある投資か判断することができる。
以下の記事は、詐欺案件かを判断するポイントを実例を交えてまとめている。
https://always-atm.jp/investment/compound/
投資とギャンブルが紙一重であり、投資と詐欺も紙一重だ。
正しい知識がないと、やはり投資はリスクが高いと考えてしまうのもわからなくもない。
期待値を計算して投資かギャンブルの違いを理解する
投資かギャンブルか?自分が行っている取引が何なのかを明確に区別することは重要だ。
パチンコ・パチスロでも、分析し長期的に期待値がプラスになる手法があれば、それは投資としても問題ない。
一方、株式投資でも、分析を怠り、期待値もわからずにお金を投入する場合は、それはギャンブルとなる。
同じツールでも、投資にもギャンブルにもなり得るということだ。
世の中の約20%の人は『投資はギャンブル』と考えているようだが、勉強不足の人ほど『投資はギャンブル』と言う傾向が強い。
投資とギャンブルの基準を明確にする
パチンコの例にあるように、投資とギャンブルに明確な基準はない。
パチンコの他にもポーカーは手法を確立させれば、収支をプラスにできる投資となる。
しかし、素人が好きなように手札を切るのは、ただのギャンブルである。
私の場合は、次のように投資とギャンブルを分けている。
- ギャンブル
- ドキドキして神経をすり減らす
- 勝ちと負けを予測できない
- 知識が増えない
- 投資
- 期待値を計算できる(勝ち負けを予測できる)
- ドキドキしない(冷静に判断できる)
期待値を計算する他に、明確な損切り基準を持てるものは投資としている。
また、知識が増えないものは、すべてギャンブルとして扱うことにしている。
なぜなら、費やした時間に対して、自分の成長が見込めないからだ。
私の場合 : FXスキャルピング
今思い返すと、FXのスキャルピングは完全にギャンブルだった。
以下の記事は、レバレッジ400倍の取引についての体験談を書いているので参考にしてみて欲しい。
https://always-atm.jp/investment/reba400/
スキャルピングは個人の技術力が大きいが、少なくとも私の場合は完全にギャンブルだった。
毎日胃をキリキリさせながら取引していた。
しかし、自分の知識が増えるわけでもなく、お金も増えるわけでもなく、ただ時間を費やしてしまっていた。
胃が痛くなる方法は精神的にも大変であるため、お金を増やす方法としてはもっとも良くない。
宝くじの期待値:投資とギャンブルの違い
投資やギャンブルは、期待値の計算が重要だ。
長期的に期待値がプラスになるものに投資しなければ、長期的には資金は減る。
宝くじの期待値
宝くじの期待値は簡単に計算することができる。
等 | 当選金額 | 当選確率 | 期待値 |
1等 | 7億円 | 1/2000万 | 35 円 |
前後賞 | 1.5億円 | 1/1000万 | 15 円 |
組違い | 30万円 | 199/2000万 | 2.99 円 |
2等 | 1000万円 | 1/100万 | 10 円 |
3等 | 100万円 | 1/10万 | 10 円 |
4等 | 10万円 | 7/10万 | 7 円 |
5等 | 1万円 | 1/1000 | 10 円 |
6等 | 3000円 | 1/100 | 30 円 |
7等 | 300円 | 1/10 | 30 円 |
合計 | 150 円 |
この表からわかるように、宝くじ1枚につき約150円が返ってくる計算になる。
宝くじ1枚300円なので、期待値は50%だ。
1枚買うごとに150円失う計算になる。
期待値だけでみると買えば買うほどお金を失うゲームになり、期待値がわかると買う気にならない。
それでも3億円を夢見て買ってしまうのは、お金の魔力なんだろうと思う。
期待値の計算
期待値の計算がわからない場合は、iDeCoなどのような基礎となる投資方法から始めてみると良い。
結局、自分で体験しないとなかなか勉強する気にならない。
私の場合は、ハイレバ400倍のスキャルピングから始めたので、実際は始めるものは何でも良いのだろう。
長期投資の場合、複利の計算などのやり方は以下の記事でまとめている。

複利の絶大な効果を知れば、それはそれで投資に手を出したくなるだろう。
以下の記事では、投資の神様バフェットの利回りを紹介している。

効果が絶大なため、そこには詐欺などの誘惑があり、やはり正しい知識を得ることと自ら経験を積むことは非常に大切になる。
さいごに:投資とギャンブルの違いは期待値を計算して見極める
期待値の計算も、自分で投資を行わないとやる気にならない。
宝くじについては、上記の表から簡単に期待値を計算できるので、Excelなどを使って計算してみると良いと思う。
どちらにせよ、自分が行動することで、何らかの結果や問題点が生まれてくる。
長期投資は利回り5%。
この数値は、素人でも安定して取れる長期投資の利回りだ。
しかし、実際に手を動かしていないと、利回り20%!!、50%!!といった投資案件に簡単に騙されてしまう。
宝くじに対して、自分がどういう目的で購入しているかを考えてみると良い。
投資なのかギャンブルなのか。
この違いを見極めて、本来の投資に手を出してみると良いだろう。