【FX】トラリピ

【FX自動売買】すくみでリスクが減ると勘違いしてはいけない

『すくみ』でリスクは減らない。

この記事では、FX自動売買で『すくみ』をやってはいけない理由を説明する。

すくみは考え方が複雑になり、むしろリスクは高まってしまう

~ この記事の内容 ~
  • シンプルに考える癖を身に着けよう
  • 『すくみ』は、突き詰めると『両建て』と同じ
  • 『両建て』は失敗する
  • 本当の分散投資の考え方

FX自動売買で『すくみ』はリスクを高めるだけなのでやめましょう。

FX自動売買のすくみの罠:そもそも『すくみ』って何?

InspiredImages / Pixabay

すくみは、様々な通貨を組み合わせ、リスクを分散させているように見せることができる手法である。

3すくみ, 4すくみ, 5すくみなど、米ドル、ユーロ、円などの複数の通貨ペアを組み合わせることで、リスクを分散させることができているように見せることができる

例えば、米ドル・ユーロ・円を組み合わせた『3すくみ』を考える。

米ドル・ユーロ・円の『3すくみ』
  • USD/JPY – 買い
  • EUR/USD – 買い
  • EUR/JPY – 売り

この時、米ドルの価値だけが下がったとする。

すると、USD/JPYの価格は下がる。

一方、USDの価値が下がることで、EUR/USDの価格は上がる。

EUR/JPYの価格は変わらない。

米ドル・ユーロ・円の『3すくみ』

USDの価値が下がる↓

  • USD/JPY – ↓価格は下落
  • EUR/USD – ↑価格は上昇
  • EUR/JPY – →価格は変わらず

1つの通貨の価値の変化は、通貨ペアの組み合わせで相殺される

このように、1つの通貨の価値が変わっても、その価値の変化を打ち消す通貨ペアの組み合わせで運用する手法を『すくみ』と言う。

これだけを聞くと、非常に安全な手法のように聞こえる。

しかし、ここに罠がある

FX自動売買のすくみの罠:突き詰めると『両建て』と同じ

cmkdream / Pixabay

複雑な手法は、シンプルに考えることが大切だ。

すくみは、1つの通貨の価値の変化を、複数の通貨ペアの組み合わせで打ち消そうというものだ。

実は、これは1つの通貨ペアで表現することができる。

1つの通貨ペアを『売り』と『買い』でポジションを持てば良い。

つまり、すくみは突き詰めていくと『両建て』と同じということになる。

『すくみ』の究極系は『両建て』

USDの価値が下がる↓

  • USD/JPYの買いポジション → 価値が下がる
  • USD/JPYの売りポジション → 価値が上がる

ドルの価値の変化は、売りポジション・買いポジションで完全に相殺される

USDの価値が下がれば、買いポジションの評価損は膨らみ、売りポジションは利益を膨らませていく。

評価損と利益は完全に相殺され、一方のポジションを決済しない限りは、評価額は常に一定になる。

これが、『すくみ』の究極系となる。

3すくみ, 4すくみ, 5すくみなどは、通貨の組み合わせを増やしているだけで、行っていることは『両建て』と変わらない。

そのため、『すくみ』は『両建て』の問題点を含んでおり、通貨ペアが複雑になることで、そのリスクが見えにくくなってしまうという欠点が増えてしまっているだけとなる。

『すくみ』は『両建て』と変わらない

FX自動売買のすくみの罠:両建ては失敗する

Engin_Akyurt / Pixabay

理論的に考えた場合、両建ては、買い・売りの評価損益が常に0円となり、手数料だけかかる。

つまり、両建てを複雑にした”すくみ”は、運用する通貨ペアの数が多くなり手数料がその分高くなってしまうだけということになる。

基本的には、複数通貨ペアにしたからといって、大きくリスクは減らないということを理解しよう。

FX自動売買では、複数通貨ペアで運用する際は、評価損のピークが重ならない通貨ペアを選択することになる。

評価損のピークを避けた複数通貨ペアを選ぶことができれば、リスクが極端に減るわけではないが、効率良く利益を得ることができる。

以下の記事では、FX自動売買のトラリピの運用で、リスクを比較的低くできる通貨ペアの組み合わせを紹介している。

【トラリピの分散投資】複数の通貨ペアに投資することでリスクが減少トラリピでは、NZドル/米ドル(NZD/USD)がもっとも稼げる通貨ペアになります。 >> トラリピで初心者が最初に選ぶべき通貨ペア ...

ただ、複数の通貨ペアで運用する場合は、2または3つの通貨ペアまでにした方が良い。

通貨ペアが増えると考えなければいけないことが複雑になり、自分でリスク管理ができなくなってしまう

自動売買では、レンジの想定がもっとも重要であり、”すくみ”にしたところで、価格が想定レンジを超えてくるとロスカットの危険が出てくる。

以下の記事に、レンジ想定が重要な理由をまとめているで、参考にしてみて欲しい。

【トラリピの失敗体験】原因はたったの1つ!!実績を交えて徹底解説私のトラリピ運用の失敗を紹介します。 『利益』という欲に負けた結果、"-10万円"の損切りをしました。 そんな実績から、この...

自動売買の唯一の失敗は、レンジの見誤りによるロスカットだ。

自動売買ではずっとポジションを持っているわけではなく、小さい利益を積み重ねていくため、基本的に損失が膨らんだポジションしか残らない。

これは、両建てだろうが1つの通貨ペアでの運用だろうが変わらない

そのため、想定レンジを超えてしまうと、”すくみ”でも”両建て”でも普通にロスカットされてしまう。

“両建て”はこのようなリスクがあり、もちろん”すくみ”も同じリスクを内在している。

これが、『すくみ』の罠となる。

複数通貨ペアの組み合わせでリスクが小さくなるように見えるが、実際にはリスクは何1つ減ってはいない

リスクが減っていないのに、リスクが減っているように見せることが1番の問題となる。

実際に、短期売買でも良いので、両建ての取引をしてみて欲しい。

まず、勝てないことに気付くはずだ。

これが自動売買になったからといって、勝てるようになるわけはない。

自動売買といっても、基本的には1つの取引の繰り返しとなる。

手動の両建ての取引で勝てないようであれば、自動売買にしたところで勝てない。

FX自動売買のすくみの罠:本当の分散投資の考え方 – LTCMの破綻に学ぶ

1820796 / Pixabay

『すくみ』は、分散投資という考え方になる。

色々な通貨に投資し、リスクを分散させようというものだ。

しかし、資金は為替相場にだけ留まるわけではない。

不況になった場合、資金の逃げ先として”金”が選ばれたりする。

国債に逃げる場合もあり、また景気が良くなれば、株式市場に資金が移動する。

もう少し未来になると、資金の逃げ先としてBitcoinが選ばれる可能性もある。

このように、為替市場内だけで資金が移動すると考えるのは危険である。

そのため、通貨ペアを増やせば増やしただけリスクが分散されるという考え方はやめた方が良い。

本当の分散投資という意味では、FXの自動売買だけで考えてはいけない

為替、株式、サラリーマン、副業など、多岐に渡って収入の柱を作ることが本当の分散投資となる。

ここで、余談ですが、LTCMというヘッジファンドの話をします。

1994年から1999年まで存在したヘッジファンドであり、ノーベル経済学賞受賞者などが集まり、金融工学に基づいた未来の価格の価値を予想し、設立から数年は驚異的な利益を上げた。

多岐にわたる債権に分散投資し、破綻する可能性はほぼ数百万年に一度程度と算出していた。

しかし、数百万年に1回のことが設立5年目にして起き、LTCMは簡単に破綻してしまった。

どんな複雑な計算式で分散させても破綻するときは破綻してしまう。

投資の世界はこんなものだ。

一方、ジョージ・ソロスは、LTCMが数百万円に1回しか起きないと算出した通貨危機に乗っかり莫大な利益を上げている。

『すくみ』のような手法に惑わされずに、1つの通貨の動きを理解するようにした方が成功しやすいし、勉強にもなる。

FX自動売買を行うとしても、収入のいくつかの柱のうちの1つとしての運用を目指した方が良い。

うまく設定を組めれば、ほったらかしでお金を稼げる良いシステムであることは間違いないので、まずは少額で試してみるのも良いと思う。

以下の記事は、FX自動売買のトラリピについて説明している。

興味があれば読んでいただければと思う。

【トラリピの始め方】損した実績から学んだ長期運用のための安心設定この記事では、トラリピを始めたい人のために、実際の私の失敗経験から、失敗しないためのトラリピ長期運用設定をご紹介します。 ...

間違っても最初から『すくみ』のような手法に手を出してしまうと、訳がわからなくなり、FX自動売買の仕組みもわからないうちに退場してしまうだろう。

まずはシンプルな設定から少しずつ稼いでいくと良い。

さいごに:FX自動売買のすくみの罠

sjswarts / Pixabay

この記事では、すくみの罠について書いた。

複雑な手法ほど、リスクをわかりにくくなる。

メリットを大きく、不都合なことを小さく書くことは、世の中にはたくさんある。

相場の世界では、“両建て”は良くないものというのは常識だ。

実際に、自分で”両建て”取引してみると、ダメな理由がわかるはず。

私もスキャルピングにはまっていた時代に”両建て”を試したことがありますが、まったく勝てなかった。

『すくみ』も同じようなものなので、気を付けて欲しい。

こんな記事もおすすめ