太陽光発電の設置費用の見積もりを取ったものの、見積もりが高いのか低いのか判断できない。
この記事では、見積もり価格が適正か判断するコツを紹介していきます。
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- 太陽光発電の設置費用を比較するコツ
- 過去7年間の太陽光発電システムの設置費用の推移
- 太陽光発電システムの設置費用の分布から適正価格を見積もる
- 2年間の私の実績と利回り
- 太陽光発電の年による発電量の違い
Contents
太陽光発電の設置費用はどうやって比較するの?
太陽光発電の設置費用には、太陽電池モジュール、パワーコンディショナー、工事費用が含まれます。
業者によって工事費用の内訳が異なることもありますので、見積もりをそのまま比較することはできません。
それでは、太陽光発電の設置費用はどのように比較すれば良いのでしょう?
太陽光発電の費用を比較する場合は、一般的に1kWの価格で比較します。
1kW当たりの単価 = 設置費用 ÷ 太陽光発電システム発電量(kW)
例えば、5kWのシステムで150万円の設置費用がかかったとします。
この場合、150万円 ÷ 5kW = 30万円/kWとなりますね。
この1kW当たりに換算した30万円/kWで、他のシステムの見積もりと比較することができるようになります。
太陽光発電では、1kW当たりという考え方が多く使われ、設置後の発電量もシステム1kW当たりに換算して比較されます。
太陽光発電システム1kW当たりに換算して、他のシステムと比較する
太陽光発電の設置費用の7年間の推移
太陽光発電の設置費用は年々低くなっています。
その理由は、FIT(固定価格買取制度)により太陽光発電が普及したことで、量産対応ができるようになったことと技術進歩が挙げられます。
以下のグラフでは、10kW未満のシステムの設置費用の平均値と参考のため売電価格を示しています。

2012年には46万円/kWほどであった設置費用は、2017年には36万円/kWに下がっています。
5kWシステムで考えた場合、以下のようになります。
2012年 : 46万円/kW × 5kW = 230万円
2017年 : 36万円/kW × 5kW = 180万円
230万円 – 180万円 = 50万円
同じ5kWシステムでも5年で50万円安くなっている!
5kWシステムの設置費用は、5年間で50万円も安くなっています。
あなたが見積もりした価格が、このグラフからあまりにもかけ離れている場合は、見積もりを取り直した方が良いでしょう。
粗悪な業者は少なくなったとはいえ、騙そうする業者はなくならないものです。
一方、売電価格は国が設置費用の推移を参考に決めています。
売電価格を低く設定し過ぎると、太陽光発電投資で利益を得ることができなくなるため、誰も設置しなくなってしまいますからね。
国としては再生可能エネルギーである太陽光発電をどんどん普及させたいと考えていますので、売電価格は設置者がなるべく不利益を被らないように設定してあります。

最近では、太陽光発電関連の業者が減ってきていますが、優良な経営を行ってきた会社が残っているとも考えられます。
設置費用が激安な場合はずさんな工事が心配になりますが、平均的な価格がわかっていれば、そのような心配も減りますね。
設置費用の相場を知ることで、設置に対する安心感も得ることができます。
太陽光発電の設置費用の平均価格を知ろう!
太陽光発電の設置費用の分布を確認
平均値の次は設置費用の分布を見ていきましょう。
【※太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン基礎編(2013年度版)から引用】
2016年、2017年をみても下は20万円/kW、上は50万円/kWと30万円の差があります。
売電価格は決められていますので、太陽光発電の設置に50万円/kWかければ、利回りはかなり悪くなります。
一方、20万円/kWで設置できるのあれば、2018年現在で利回り15%以上は狙えます。
ちなみに、私は10.8kWシステムを260万円で設置しています。
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1kW当たりに換算すると24万円/kWとなり、平均値より低いことがわかると思います。
何度も言いますが、太陽光発電は売電価格が決められています。
そのため、設置費用を抑えることが利回り向上にもっとも影響するため、なるべく安く品質の良いものを選択することが重要となります。
多額の費用を必要とする投資ですので、何社も見積もりを取り比較することが大切です。
太陽光発電の見積もりをした際は、これらのグラフと見比べて、自分がどの位置にいるのかを確認してみましょう。
太陽光発電の設置費用の分布から自分のポジションを知ろう
太陽光発電の設置費用:私の実績と利回りをご紹介
2016年12月から始めた太陽光発電の設備は次のようになります。

購入したアパートの屋根に設置しました。
今回、設置から2年間運用した結果をまとめてみました。

上記のシステムで、だいたい毎年40万円の売電売上になります。

この利益をシステム費用で割ると、利回りを出すことができます。

故障や不具合はまったく起こっていないため、今のところこれが実質的な利回りになります。
約15%の利回りです。
ただ、数年に1度はメンテナスが必要になると考えられますので、メンテナス費用をだいたい年間40,000円と仮定すると、利回りは以下のようになります。

これで14%程度の利回りになります。
これが、数十年間運用した場合の利回りになると考えられるわけです。
利回りだけで見ると、かなり良い資産運用になっています。
アパートの屋根に取り付けたこともあり、デッドスペースをうまく活用できている気がしますので、かなり満足の結果です。
売電価格が大きく下がるニュースが良く取り上げられますが、システム費用も大きく下がってきています。
利回りで計算すると、まだまだ良い投資と言えそうです。
国が再生可能エネルギーを普及させようとしているところも大きいですね。
ふるさと納税や確定拠出年金など、国が絡んでいる案件は国民にとってメリットが多いです。
太陽光発電もその1つですので、これだけの利回りを出せるんでしょう。
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太陽光発電の見積もり:【住宅用・産業用】ソーラーパートナーズ
太陽光発電の設置費用:太陽光発電の年による発電量の違い
発電量は、単月で見るとかなり波があります。
7月のピークに対して、12月は半分以下の発電量になります。

これだけ見ると、安定していないように見えますが、年の平均値、合計値を計算すると、かなり安定していることがわかります。

2017年、2018年と発電量にほとんど差がありません。
2016年に始めた頃は、ここまで太陽光発電が安定しているとは思いませんでした。
日々の天気や天候に影響される投資であるため、多少のブレを予想していましたが、予想外の安定具合です。
株式投資やFXと比較すると、安定感が全然違いますね。
よく考えれば、太陽は不況や好況によらず、一定のエネルギーを地球に注ぎ続けているわけです。
資源としては、地球上のものよりよっぽど安定しているんでしょうね。
太陽光発電の見積もり:【住宅用・産業用】ソーラーパートナーズ
さいごに:太陽光発電の設置費用
太陽光発電も、元をたどっていくと半導体素子です。
スマートフォンやパソコンに使われているものと同じです。
そのため、広く普及していくと、製造コストは下がっていきます。
1つの設備で多くの数量を作ることができるようになれば、その分、原価は減らすことができます。
例えば、1億円の製造設備で1台の太陽光発電パネルを製造するのと、100台のパネルを製造するのとでは、固定費が100倍も変わるわけです。
国が太陽光発電を普及させることで、多くの太陽光パネルの受注が増えました。
その分、原価が安くなったため、利益が出過ぎないように、売電価格を設定しているわけです。
逆に言えば、損をするような売電価格を設定してしまうと、太陽光発電の普及が遅れてしまうということが予想されます。
そうは言っても、なるべく高値で売りたいのが、太陽光発電業者の本当の気持ちでしょう。
そのため、平均的な太陽光発電の設置費用を把握しておいて、見積もりと大きくかけなはれていないことを確認することは大切です。
この記事にあるシステム価格の推移をみて、取った見積もりと平均システム費用がかけ離れていないことを確認してみましょう。
とりあえず、屋根がデッドスペースとなっているなら、太陽光発電を検討してみるのもありかと思います。
太陽光発電の見積もり:【住宅用・産業用】ソーラーパートナーズ